新料金体系にシフトしたLINE、ソーシャルサービスの軸ともいえる「いいね」のカウント価値の見直しを検討するインスタグラムと、 ソーシャルコマース のメインステージといえる両サービスが新機軸に向かっていく今、B2C/ECはサイトへの集客という呪縛から解き放たれ、サイト外での接客サービスが「新たなデファクト」になるようです。
ソーシャルコマース のメインステージ LINE公式アカウント始動! B2C/ECにどう影響する?
LINE公式アカウントでの従課金移行は、お友達であるお客と相互性あるコミュニケーションしてね、というLINEからのメッセージであり、ソーシャルメディアにおける企業アカウントのあり方に一石を投じているワケです。
メッセージを一斉配信すればラクだし便利ですが、受け取るユーザー自身が「自分に合った内容でないと無意味」という姿勢なので、一人一人に合った内容を別々に発信する必要があります。いわゆる「パーソナライズ」です。
LINEニュースが新規獲得機会を生み、公式アカウントが継続的コミュニケーション導線となり、その会話がパーソナライズ接客となり購買行動を喚起し、支払い手段がLINEPayになると。
つまり、認知と購買までの行動がひとつのインフラ導線上で完結する次第です。ソーシャルコマース最大の可能性がココにあり、同条件をインスタグラムも備えようとしています。
いいね不可視化でインスタとインフルエンサーは変わるか
海を越えるグローバルなEC展開を最も容易に実現するとして注目されるインスタグラムのソーシャルコマース。オーガニック投稿の商品ページへのリンク付与から始まり、アカウントからの直接購入という手段のテストなど進化の手が止まりませんが、今度はソーシャルメディアの価値の根幹に関わる部分への変革を模索しているようです。
自分のアカウントでは投稿へのいいね数は確認できますが、他人からはその数は見えないようにすることを検討しています。どうやら投稿へのリアクションが過度になる現在の傾向を「ヨシ」とは思っておらず、本来の
「ビジュアルをトリガーにしたコミュニケーション」への弊害と考えているようです。つまり「インスタ映え」を目的とした投稿行為への否定ともいえるでしょう。
この変更がディファクトとなる場合、インスフエンサーが持ち得る影響力の可視化は、赤の他人には容易とはいかないでしょう。インスタグラム関連のソリューションもグラフAPIへの変更により、サービスの停止や機能制限などの影響は軽微ではありませんでしたが、このいいね数見せません化が及ぼす影響は、インフルエンサーマーケティングそのもののあり方を変える可能性を想定しなければなりません。
インスタグラム自身が現在のインスタ利用状況を「良好」とは思っていないのでしょう。家賃も払わないで騒ぎ立てる傍若な振る舞いを歓迎しているワケがありません。パーティは終焉を迎えつつあります。