店舗数が売上規模を反映した小売の時代は終焉を迎え、ECというデジタル領域でのマルチチャネル化に、口コミの可視化著しいSNSを無視するワケにはいきません。 ソーシャル購買行動 の指標データやトリガー要素には、しっかりと聞き耳を傾けねばなりませんねジェイク。
今回は約2,900名のインターネットユーザーに、SNSをきっかけとした購買行動や口コミ行動の実態を調査(調査概要は記事最後に記載)、Twitter、Instagram、Facebook、LINE、YouTubeの各SNSを利用しているユーザー毎に購買行動・口コミ行動の傾向をまとめました。
情報源: SMMLab|【2020年最新版】5大SNSユーザーによる「SNSをきっかけとした購買行動・口コミ行動調査結果」公開!(Twitter、Instagram、Facebook、LINE、YouTube)
コンテンツインデックス
ソーシャル購買行動データ 商品購入の儀
SNSの情報をきっかけや参考に、初めて利用するECサイトで商品を購入したことがあるソーシャルベスト5
1位:インスタグラム:60.7%
2位:ツイッター:55.2%
3位:フェイスブック:54.4%
4位:YouTube:53.1%
5位:LINE:51.9%
つまり、ECサイトにとって新規購入ユーザーの獲得に向いたソーシャルメディアはどれなのよという順番です。インスタグラムが最多としても、どのソーシャルでも半数は「新規客」になる可能性を秘めているワケで、Googleアナリティクスの集客チャネルで成果が全くなくとも、それはソーシャルメディアがオワコンではなく、貴社のアカウントが見合ったレベルにないとうだけの話です。実にカンタン明白です。
購入経験がある方、どんな投稿内容がきっかけでした?
1位:企業アカウントのキャンペーンやクーポン
370.9ポイント
2位:フォローした企業アカウントのオーガニック投稿
268.2ポイント
3位:友人やフォローしている一般の方の口コミ投稿
151.2
4位:企業アカウントの広告投稿
137.9ポイント
5位:インフルエサーの投稿
52ポイント
6位:ハッシュタグ検索で見つけた投稿
40.1ポイント
特典提供系投稿がどのソーシャルでも圧倒的1位という結果に。購買の物欲を沸き立たせるには、お得感との差し違えの覚悟が必要ということです。コミュニケーショントリガーとしては、現実的かつ合理的な判断に則しています。
ソーシャルマーケティングの代表的施策でもある、インフルエンサー投稿がUGC投稿よりも購買トリガー要素が低いという結果には、恐悦至極に残念無念の極みであり、その1投稿の見積もりに「この金額の単価はウォンか?」と確認したくなるレベルの高額査定も、そろそろエンディングのお時間のようです。
SNSで初めて知り、そのままSNS経由でECサイトへ訪問、商品購入したことがあるソーシャルベスト5
1位:インスタグラム:42.7%
2位:フェイスブック:40.5%
3位:ツイッター:38.1%
4位:LINE:36.8%
5位:YouTube:36.6%
ソーシャル衝動買いとでも言いましょうか、タイムラインに流れる投稿や情報、コンテンツそのものがフォロー関連になくとも、アルゴリズムによる相関性が正しければ、そのユーザーの嗜好などの感性にマッチする可能性は極めて高く、ソーシャルアプリを立ち上げたその瞬間、ソーシャルウインドウショッピングが展開されるワケで、ファーストビューが絞り込まれないLINEやYouTubeの衝動買い指数が低いのも納得感があります。
利用経験のあるECサイトのSNSアカウントをフォローし、その投稿から再購入経験があるソーシャルベスト5
1位:インスタグラム:42.7%
2位:ツイッター:39.5%
3位:フェイスブック:39.0%
4位:YouTube:36.8%
3位:LINE:36.1%
衝動買いも経験買いもリピーター化においても、インスタグラムの有効性が立証され、改めてソーシャルコマースの本陣となるのがインスタであると再認識させられる次第です。創業組を追い出してまでも、続々とショッピング機能を実装するスピード感からも、インスタをショッピングモールとする「ソーシャル補完計画」が完成の儀は間近と言っていいでしょう。
ソーシャル購買行動データ 口コミ拡散の儀
購入経験の感想や印象を投稿したことがあるソーシャルベスト5
1位:インスタグラム:57.0%
2位:ツイッター:53.5%
3位:フェイスブック:50.6%
4位:YouTube:50.4%
5位:LINE:48.0%
知って欲しい、わかって欲しいという自己肯定の欲求がベースとなる経験投稿ですが、LINE以外どのSNSでもその行動心理を満たしてくれている模様です。YouTubeへの投稿が動画なのか該当動画へのコメント投稿なのかは定かではありませんが、購入後の満足も不満もなんら躊躇なく発信することができるのが、ソーシャルに監視させられた現代社会の民主性なのでしょう。
口コミ投稿した理由は何?
1位:口コミ投稿の特典キャンペーンをやっているから
365.9ポイント
2位:良い点を知ってもらいたい
261.0ポイント
3位:使った感想を企業やお店に伝えたい
172.4ポイント
4位:悪い点を知ってもらいたい
92.1ポイント
5位:その商品を使っている自分を知ってもらいたい
71.2ポイント
実物を手にとって確認することができないECである以上、購入に関わる参考情報は、発売元の企業やブランド川が発信する主体的な情報だけでなく、実際に購入した人だけが知り得る客観情報も購入判断に大きく影響を及ぼします。客観情報の方が重要度が増しているのは、ソーシャル普及の前からの話ではありますが、口コミがテキスト情報として検索と可視化が容易となったことで、その役割はECマーケティング施策としての優先順位は高くなる一方です。
肯定も批判もない、是も非も、どちらの意見もないプロダクトなど、存在しないも同義でなのです。
企業アカウントやサイトが、自分の口コミ投稿を紹介したり、再投稿するなどした場合、どのような印象を受けますか?
1位:より好きになる:281.9ポイント
2位:印象は変わらない:145.9ポイント
3位:自分の投稿を利用して欲しくない:66.8ポイント
4位:印象悪!:5.4ポイント
UGCというユーザー投稿が、他のユーザーへの購買行動に影響を与えるのであれば、それを積極活用したいと思うのは当然のこと、それが評価として良好であればなおさらです。ただし、投稿自体がユーザーの意思によるもので、より広く知ってもらいたいとう欲求がベースにあるにしろ、勝手に使うのはどのように思われてしまうかは気になるところ。ましてECなら購買への影響というよりビジネスライクな都合なワケですから、そのリツィートやリポストや引用利用は、商業意図丸出しなのです。勝手に商売に利用されたと炎上する可能性だって秘めています。
調査結果的には、UGCへの利用は、好意的に受け入れられると思われますが、一部やめて欲しいという声も確実に存在する次第で、やはり「確認と許諾」という一手間を省く選択は排除しておいた方が良さそうです。
ソーシャル購買行動 の起点も終点も完結可能なインスタグラムは、ソーシャルコマースそのものであり、確立しておかねばならない重要ショッピングチャネルなのである
いずれのSNSにおいて、利用アカウント2,000万を超える超一等地の商業エリアであることは間違いなく、コマースとして適した商材や環境が、おのおのが持ちえる特性に加味するか否かが、商売として出店に値するかの違いになりそうですが、その適性の許容が広範囲で勢いがあるのがインスタグラムといえるでしょう。
若年層の過疎化で加齢臭濃度が広がるフェイスブックなど、健康食品通販の聖地になりえそうですが、ショッピングカタログに登録がし難いという「適正の不認識」が拭えない限り、フェイスブックジャパンの事業目標は永遠に「3000万アカウント達成」という上陸初期の有様です。