続々と登場するファッションテックにあっては、ITエンジニアの地道な作業とは対岸の華やかさを印象に与えますが、「アパレル小売の課題解決」が基軸にある以上、経営判断に寄与する方が有益なのは間違いありません。そこで登場したのが セール効果予測ツール というワケです。
ディーエーピー社は、需要・値引き予測「Sell.NAVI」の事前予約受付を開始した。今回発売する「Sell.NAVI」は、小売・アパレル業界向けに需要予測に加えて、値引き予測・効果を提供するという。
「需要・値引き効果」予測ツール『Sell.NAVI』
「Sell.NAVI」は、小売・アパレル業界向けに需要予測に加えて、値引き予測・効果を提供するという
POSデータ、商品マスタ
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天気・気温情報
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競合情報、周辺地域イベント情報
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過去の季節要因
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平日、休日からの商品毎売上傾向
=売上予測 = 適切な値引き率、売上傾向を算出
Sell.NAVIの特徴
1. 操作がシンプル、商品情報等を登録するだけで需要予測が可能
2. 値引きによる売上効果を予測
3. 結果はダッシュボードでの可視化、csv出力で他サービスとの連携も可能
もう、商品情報を登録するだけで、あとはツールが勝手に機械学習してくれます。
ツール自体の使い方をマスターするとか手間も、むづかしいことを考えるポーズさえも必要もないという、実にアパレル向けな仕上がりです。
利益率と消化率改善へ
「これまで小売・アパレル業界での値引き金額は、在庫消費という目的から現場の経験値を頼りにすることが多かった。しかしながら、過剰な値引きによる損失や値引き不足による機会損失が見えず、現場責任者やエリア担当者の頭を悩ませていた。Sell.NAVIの需要予測モデルは、商品属性に対する値引き率を可視化します。これにより、売上利益率の改善、および在庫回転率の向上が見込めます」
無論、現場も経営クラスも、生産した分をキチンと消化して現金化しないと次のシーズン分の支払いができませんから、なんぼ儲かるかの率よりも残高の方が気になるのは仕方ありません。
ただその手段と判断が「内部事情」に完結している点においては、不要な値引きだったり、消化ロスを招くなど、販促行動自体がブランド毀損を招いている可能性も否定できません。
つまり、天候ガァーとか気温ガァーとか環境破壊ガァーなどの売上不振を外部要因を言い訳にする手段を封印されるワケですが、ディスカウント価格の正統性や説得力などは、利用者個々に委ねられたようなものですから、適切な値引き率が「誰にとってもお得」という結果には至りません。逆に「ツールの予測が外れた」という異なる言い訳の手段を手中にするだけで、導入メリットは成立する次第です。