モバイルによって、あらゆるサービスが「手のひらの上」で展開される今、 モバイルユーザー行動 は、人類の行動と消費活動を示すといっても過言でありません。現代社会の縮図であり経済活動の指針ともなった モバイルユーザー行動 からECのあるべき姿を探ってゆきます。

デロイトトーマツコンサルティングはこのほど、世界のモバイルユーザーに関する実態調査「世界モバイル利用動向調査 2018」を公表した。日本のモバイルユーザーが毎日使うアプリの種類や、定期購読している主なサービスなどをまとめている。
モバイルユーザー行動 ECアプリは毎日使う?
18〜24歳:15%
25〜34歳:14%
35〜44歳:16%
45〜54歳:18%
55〜64歳:13%
65〜74歳:8%
少なくとも1日一回起動するアプリという設問の複数回答なので、結果的には予想よりも多い数値という印象です。この大半がアマゾンや楽天市場、Yahoo!ショッピングやZOZOTOWNなどのメジャーモール系とも思われ、モバイルショッピングの主役としてのECアプリの存在感は、自社領域での購入促進という面では「役不足感」が否めません。
やはりダウンロードと継続利用のハードルの高さは、アプリ経由売上でのみ回収するに十分たるパフォーマンスを示してくるワケではなさそうです。
では、もっと日常的に使われるアプリにコマースの可能性を見る
モバイルユーザー行動において最も重要なのは「お天気」であり、日常にもっとも即し誰にでも共通する点に代わるべき存在はありませんが、近いのは「ソーシャルメディア」であるようです。
18〜24歳:43%
25〜34歳:44%
35〜44歳:32%
45〜54歳:26%
55〜64歳:18%
65〜74歳:12%
インスタグラムのショップナウ機能を筆頭に、ソーシャル上のタイムラインが購買導線となるソーシャルコマースの台頭は、モバイル上でのショッピング行動機会をコマースアプリに限定しない点に加え、日常的な購買機会を創出してくれるでしょう。数値の差は可能性の差ともいえます。
チャットが新たなコマースの入り口になる
サイト上でのチャットボット設置は多く見られるようになりましたが、どのサービス領域での利用が多いでしょうか。ランキングで見てみましょう。
1位:オンラインショッピング:7%
2位:通信事業者:5%
2位:銀行:5%
2位:運送・宅配業者:5%
5位:ファッション衣料販売店:4%
5位:旅行・航空サイト:4%
5位:ソフト・ハードウェアメーカー/販売店:4%
8位:保険会社:2%
8位:自治体:2%
該当なし/不明で79%という有様ながら、ECに関連する項目で都合10%弱という状況に楽観視はできませんが、コマースの入り口としての可能性は感じさせます。
気軽に問い合わせる、設問にタップで欲しい情報にたどり着くなど、コマース領域において、チャットの可能性は「手のひら」で広がると言えるでしょう。
日常的に使われ、顧客との関係性を醸成し、購入の窓口として機能する。これらは自前のアプリより可能性の高い「場所」があります。
そう、LINEですね。
