経済産業省発表の電子商取引に関する市場調査によれば、クレジットカード決済は66.1%の利用に留まり、EC決済の全てカバーできるものではないことがわかります。 自社EC決済 はクレジットカード決済と組み合わせて、機会損失防止にも複数の決済手段を整えておく必要があるのです。
ECの決済方法は多種多様です。各決済方法のメリットとデメリットを紹介し、あなたのECサイトに最適な方法な決済方法の選び方とポイントをご紹介いたします。
ECで利用される代表的決済方法ランキング
1位:クレジットカード決済:66.1%
2位:コンビニ支払い:30.9%
3位:代金引換:26.9%
4位:口座振込:23.7%
5位:ネット・モバイルバンキング:12.4%
6位:キャリア決済:11.5%
7位:電子マネー決済:4.2%
8位:現金書留、小切手など:1.6%
9位:その他:1.0%
相変わらずクレカ決済がメインではありますが、唯一の手段というワケでもありません。
・個人情報リスクを避けるためクレジットカード情報の送信を控えたい
・多様な決済サービスの普及
・10代、20代のクレジットカード離れ
不正アクセスのリスクは今後も拡大し続けます。選ばれるECサイトとなるには、「結局クレカ決済しか使わないないでしょう」といって決済手段の多様性を否定するのではなく、つまるところ、顧客利便性の追求なのです。
自社EC決済 顧客属性と商材とのマッチング
顧客属性と決済方法のマッチング
・M1層 / 20-34歳 男性
◎ = クレカ決済、後払い、
× = コンビニ支払い、海外決済ブランド
・F1層 / 20-34歳 女性
◎ = 後払い、キャリア決済
× = コンビニ支払い、口座振込
・M2層 / 35-49歳 男性
◎ = クレカ決済、ID決済
× = コンビニ支払い、キャリア決済
・F2層 / 35-49歳 女性
◎ = クレカ決済、ID決済
× = キャリア決済、電子マネー
・M3層 / 50歳以上 男性
◎ = 代引き、コンビニ払い
× = コンビニ支払い、キャリア決済
・F3層 / 50歳以上 女性
◎ = 代引き、コンビニ払い
× = キャリア決済、電子マネー
・インバウンド
◎ = 海外決済ブランド、クレカ決済
× = 他全部
商材と決済方法のマッチング
・衣料、服飾雑貨など
◎ = 後払い、クレカ決済
× = 電子マネー、口座振込
・化粧品、医薬品
◎ = クレカ決済、後払い
× = 電子マネー、口座振込、
・家電、AV機器、デジタル&周辺危機
◎ = クレカ決済、代引き
× = コンビニ支払い、電子マネー、
導入すべきお支払い方法選手権
クレジットカード決済
手数料を嫌って客に現金払いを強いる都合勝手な実店舗と違って、ECにおいては、利便性が高く、最も普及しているお支払い手段ですね。ただし、こと不正利用などの事案と呼応してチャージバックのリスクは高まっているのも事実です。
クレジットカード多通貨決済
グローバルECなど海外ユーザー向けの決済手段。常に為替変動リスクがつきまといますが、ジャパンの市場とは10倍にも広がる可能性に目を背けたままというワケにもいきません。
代金引換
宅配業者が配送時に代金を回収してくれる通販黎明時代からの名残のように定着したサービスですが、再配達を強いられる温床としても「嫌われる」存在です。ユーザーからすれば、クレカカード情報などを登録する必要もなく、不正使用なのどリスク軽減手段ではありますが、手数料は高く、自宅というプライベートで逃げ場のない場所での支払い行為を歓迎する無邪気な女性も少ないでしょう。後払いサービスの普及によって、消滅しつつある手段かもしれません。
コンビニ払い
商品に同封された請求書を使って、コンビニで支払う方法。徒歩生活圏範囲にコンビニがあれば重宝しますが、移動に無理がある場合は積極的に選択する手段ではないとも。回収リスクがつきまとい、債権保証サービスも充実していますが、利用が増えて欲しい決済手段ではありませんね。ブラック率が最も高いのもこの決済手段ではあります。ただし、この後24時間店舗自体が減少する時流にあって、ラストワンマイル拠点にコンビニが相応しいかは疑問を残すのではないでしょうか。
キャリア決済
通信キャリアへの支払いに含まれるカタチで購買額が請求される方法。ガラケー時代からキャリアそのものが決済代行料をビジネスとしていたため、スマホ移行によって生じたキャリアサービス離れを補完するためのサービスとも。クレカが作れない未成年向けに、契約者である親での支払い管理を容易する都合もありますが、クレカ決済の1.2〜1.5倍もの手数料は考えものです。
PayPal決済
いわゆる海外決済ブランドですね、それも最大手の。英語圏ECユーザーの7割がアカウント登録しているともいわれるグローバルECには欠かせない決済ブランドです。銀行口座連携も可能で、クレカが不要なことから、日本でももっと登録者が増えてもおかしくないのです、その普及率の低さたるさ、やる気あるのでしょうかねPayPalは。
ID決済
AmazonPay、楽天Payなど、ショッピングモールへの登録IDを外部ECでも利用可能にしたのがID決済。今後の自社ECには導入不可避とも。このラインナップに、LINEPayやPayPayが並ぶにおいて、契約すべき決済代行社も絞られてくるとも。
キャリア決済ブランドを並立された柔軟性を持つソフトバンクペイメントで、楽天Payが導入できる日がID決済の夜明けかもしれません。
銀行決済 / 口座振替
公共料金並に信頼を得たサービスならいざ知らず、定期購入であっても銀行口座から定期引き落としsなどさせたくはありませんね、実際。わざわざこの支払い手段を選ぶユーザーにも疑念を抱かざるを得ません。
銀行決済 / 振込
通販時代から最も浸透した支払い手段。ATM機器の普及台数に伴い拡大しましたが、それももう昔の話。金融業界のリセッションによって、ATM支店さえも減少する今後、もっとも面倒で手間と移動と時間を強いられる支払い手段になるかもしれません。実店舗でのキャッシュレス支払いの普及、アフターコロナ下でのソーシャルディスタンスでも、行列を伴うサービスは廃れてゆくことでしょう。
機会損失の防止になるならと、あらゆる決済サービスを導入しようとも、「決済ブランド全部入り」のカートを実現するのは容易くありません。まずは、自社で利用しているEC構築システムで対応される決済事業者とそこが提供しているサービスの確認が必要です。
話題のPayPayを導入したくても、契約している決済代行社がソフトバンクペイメントでない場合は、先の対応を待つしかないのです。