市民権を得たフリマアプリ。好き放題勝手放題というワケにもいかず、メジャーIT企業の傘下という立すべき事業ポジションに、コンプラ強化はもちろんのこと、社会的責任は増すばかり。取り急ぎ ファッション二次流通 においては、ブランドからも歓迎される必要がありそうです。
株式会社アパレルウェブが運営する会員組織アパレルウェブイノベーションラボ(以下AIL)は、フリマアプリの楽天「ラクマ」の協力を得て、フリマアプリユーザーにおけるファッション二次流通に対する意識調査を実施した。楽天「ラクマ」ユーザー8,397人、およびファッション企業37社が回答。
情報源: フリマアプリはブランドを知り、新品購入するきっかけに。「ファッション二次流通に関する意識調査レポート」|ECのミカタ
自社商品がフリマに出品されていることについて
1位:サステナブルと感じている:23
2位:自社商品を知ってもらえるきっかけ:18
3位:自社商品の人気度がわかる:9
4位:転売目的に新作購入が増える:7
5位:自社新商品が売れなくなる:4
・ポジティブに受け止めている企業が多い
・サステナビリティの側面でポジティブ
・自社商品を顧客以外に知ってもらえる機会になるのでポジティブ
だた「サステナブル」をなんとなくエコなイメージで使っているようですが、社会活動の持続可能性とフリマという販売チャネルに対する意味合いとしては乏しく、フリマが再利用のプラットフォーム思っているなら、そもそも作りすぎに済む事業体制に見直すべきで、なんなら責任の他力本願的な意図を汲み取ってしまうのは、育ちの悪さですねきっと。
フリマで知ったブランドがある
ある:47.5%
ない:52.5%
フリマであっても、売れる商品をいかに見つけやすくするかが課題であり、業界認知も乏しいブランドの優先順位を高めるワケでもありません。フリマを利用して初めて知ったブランドがあるのは、そもそもブランドに通じていないか、ファッション情報に関心が乏しく疎いか、暇すぎて延々とアプリをスクロールして眺めているかのいずれかでしょう。
こんな偏見に満ちた見方の一方、実際の利用ユーザーの行動はもっとアクティブでポジティブな様相です。
二次流通とフリマ市場の存在価値
・フリマアプリ内でつながった新しい顧客はブランドのファンの予備軍となる。
「そのブランドの店舗に足を運んだ」が18.1%、
「WEBでそのブランドの新品を確認した」が51.4%
「新品の購入にまで結びついた」が店舗が18.1%、WEBが13.6%に。
・フリマアプリだからこそ見つけられる商品があること
フリマアプリで購入する理由で最も多かったのは「価格が安いから」で77.3%
「店舗やWEBサイトで売り切れの商品だから」が28.5%
「もう新品では販売されていない過去の商品だから」34.7%
2次流通市場に関わった経験から、安さを求める層は、新品市場で本流に向かうことはまずありません。確かに2次流通市場が活性化されるほどに、新品市場も好調となる方程式は成立しますが、それはあくまでも、購入した新品が高価買取されることで、次の新品購入の原資になりえるワケで、構図として、2次流通市場が新品購入のハードルを押し下げる役目にはあっても、購入ユーザーがクロスすることはないのです。つまりフリマアプリでブランド認知を得ても、新品が売れるという現象は限定的であり、その恩恵を享受できるブランドも、そもそも認知度が高いというオチなのでした。