コロナ禍のような未曾有の事態を乗り切ろうとする意識は、新しい消費スタイルやカテゴリーを生み出すのもの。そもそもコロナ前からデジタルシフトは取り沙汰されたハズで、ターボ加給で加速したデジタル取引の ECトレンド予測 も、荒唐無稽というよりは現実的すぎてロマンに味気ないといった具合です。
新型コロナウイルスの影響によって、人々の生活は誰も想像していなかったレベルで大きく変化した2020年。とりわけ消費行動の変化は著しく、中でもECを取り巻くそれには興味深い動向が見られました。本稿では、そんな激動の2020年におけるEC業界の出来事を振り返りつつ、2021年に見られそうなECのトレンドを予測していきたいと思います。
情報源: 2020年の小売業界振り返りと2021年に予測されるECトレンド7選|株式会社エスキュービズム|S-cubism inc.
2021年にトレンドとなるであろうコマースシーンの新潮流7選 / ECトレンド予測
ECトレンド予測 1 / 自社ECもモールも併用 ECチャネルのマルチ化
・自社ECを持つことが当たり前に
・Amazonや楽天など大手ECプラットフォームも併用していくことが常識
・タッチポイントを可能な限り増やすことが、売上を伸ばすにあたって理に適っているから
ECトレンド予測 2 / 購買のきっかけになるのはインスタやYouTube
・購買行動の初期段階ではSNSが商品への興味関心を高める重要なチャネルに
・インスタグラムは「その商品があることでライフスタイルがどのように魅力的になるか」という世界観を見せる方が効果的
・YouTubeは「インフルエンサーを活用したライブコマース」エリアへ
ECトレンド予測 3 / B2Bシーンでのデジタルシフトの加速
・企業間取引に介在している電話やFAXなどのアナログ手段のデジタルシフト
・2024年固定電話回線のIP網へのシフトが確定
・今後はあらゆるBtoB企業が、ECを用いて受発注を管理する時代に突入する
ECトレンド予測 4 / D2Cブランドブーム、ピークから標準化へ
・半数以上の顧客は、ファンを自認するブランドの商品をオンラインで購入する場合「大体直販を選ぶ」
・その選択はプラットフォーム優先者を上回る
・その理由はアフターケアなどの「購買後関係性維持」が目的とも
ECトレンド予測 5 / インバウンドもオンラインシフト グローバルECの活況具合が表面化
・インバウンド需要が壊滅的だった2020年、相対的に越境ECの流通総額は年々増加
・「Buyee」の流通総額は前年比48.7%も増加、過去最高を記録
・利用者は中国だけでなく、アメリカやヨーロッパでの伸長率上昇が顕著化
ECトレンド予測 6 / 仮想空間で仮装大賞するほど活用が広がる
・仮想空間での体験を通じ購買意欲を促進
・その場で購買チャネルも提供する形のEC
・代表格は「Amazon Explore」で、
ライブストリーミングを見ながらバーチャルガイドの案内で体験を楽しむ
ECトレンド予測 7 / 顧客志向な物流サービスがECシーンを新たなステージに引き上げる
・実店舗で見てECで買う「ショールーミング」に加え、ECで買って実店舗で商品を引き上げる「ピックアップストア」がもてはやされる。
・完成された物流システムを持つ事業者が、第三者に対してそのシステムをサービスとして提供する流れが来ると。ZOZOデスね、楽天デスね。
・ショッピングモール出店のセレクトショップなどは、販売商品の卸取引以外に、EC専業者の「店頭引取」拠点として奉られる存在に。
かなり現実的(地味)なトレンド予測にスパイスを
仮想空間でのビジネスニーズが想定したほど上手く機能しないのは、セカンドライフで懲り懲りという体験価値も拭えず、まゆつばな感が否めませんが、その他のトレンド予測は、極めて「リアル」であって、企業規模や業種を問わず認識しておくべき潮流と言えます。
ウェブ上で展開されるサービスのほとんどがその収益源を「広告」という手段に委ねていましたが、今後その流れは、「EC」という「売上数値の集合地」にシフトしてゆくことでしょう。ECという売り場に、売る以外の目的で来店させる仕掛けも必要となることから、パーソナライズECの先にあるトレンドとして「ECのメディア化」を掲げておきましょう。
信じるか信じないかは契約次第です。