顧客の購買プロセス多様化によって、コマースシーンはオンライン、オフラインを縦横無尽に横断するマーケ施策が必要であり、その実現にはアプリが欠かせないと。ただ、果たして コマースアプリ がすべてのEC事業社にとって必須となるかは疑問を解消せねばなりませんね。
グローバルに展開するB2B SaaS企業であるadjust株式会社は、モバイルアプリマーケティングとリターゲティングの業界リーダーであるLiftoffとの共同調査による、モバイルアプリコマース市場に関する最新レポート「2020年モバイルショッピングアプリレポート」を発表した。
情報源: ショッピングアプリインストール後の購入率は昨対比40%増加 | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
アプリマーケティングコスト in ザ・ワールド
インストール
広告コスト/平均:$2.87 / ¥307
登録
広告コスト/平均:$8.76 / ¥937
購入
広告コスト/平均:$19.47 / ¥2,083
インストール → 登録CVR:32.8%
登録 → 購入CVR:14.7%
※1ドル107円換算
ECアプリの成功事例で、1万DLで1,000万月商という事例がありましたが、この成功例でも、1万DLには、307万かかりるワケで、月の売上対コストは30%超という高コスト体質になる次第です。
購入コスト2000円台では、結構な売れ筋の単品高リピート商材でなければ割が合いません。
アプリマーケティングコスト in ジャパン
インストール
広告コスト/平均:$5.69 / ¥608
登録
広告コスト/平均:$13.52 / ¥1,446
購入
広告コスト/平均:$54.77 / ¥5,860
インストール → 登録CVR:42.1%
登録 → 購入CVR:10.4%
※1ドル107円換算
ユーザー規模で圧倒するワールドコストでさえ、費用対コストとしては、「厳しめ」であるにもかかわらず、ジャパンコストにおいては、もはや検討の余地が見当たりません。
ユーザー獲得コストは50%以上も高騰し、施策継続として優先可能な事業社には、相応の資本保有が条件とも言えます。
顧客ロイヤリティが高いというけど
ショッピングアプリユーザーの継続率
1日目:30%
3日目:25%
7日目:20%
14日目:16%
30日目:10%
この継続率でさえ、世界基準では「継続期間が長い」ということらしいです。
つまり、1万DLを達成するには、600万程度の広告コストがかかり、その1ヶ月後には、その獲得ユーザーの9割はアプリを削除するワケです。
購買単価1万円、月商1000万には、1000人の購入者が必要ですが、DL後の継続率10%をベースとすると、1万DLユーザーを維持する必要があります。ざっくりと月500万程度の広告コストが必要となるワケで、売上に対するコスト比率が50%という、「いや何もしてくれるな」と言われコト受けないな、非効率ブリです。
いささか割高なコストを長期的な視点と運用で解消せねばなりませんが、現在アプリ市場が直面している「利用アプリの固着化」と「新規DL障壁」や「ジオマーケティングの見直し」など、覆われた状況は決して追い風などではなく、SNSでバスるような運頼みでは、投資対コストのリスクは払拭されません。コマースアプリが求められるのが、多種多少なブランドや商材商品を抱えた大手モールに偏るのも現実で、資本に乏しい中小事業社にとってのアプリマーケの主戦場は、アプリ内モジュールを思考とし、大概のアプリ施策の実現が可能となった「LINE公式アカウント」の一択というオチなのです。